過去3年間に上演した作品をご紹介します。
頭痛肩こり樋口一葉
ぼんぼん盆の十六日に地獄の地獄の蓋があく ────
夭折した明治の女流作家・一葉を取り巻く5人の女性たちが織りなす
この世とあの世の境界線。
激動の明治に生を受け、若くして樋口家の戸主となった一葉(本名・夏子)。
女性でありながら母・多喜と妹・邦子との暮らしを守るために小説を書いて生計をたてることを決意する。
苦悩やしがらみと向き合いながら筆を執る彼女の前に現れたのは幽霊・花螢。
一葉と花螢のユーモア溢れる交流を軸にしたある時代を生きた女性6人の物語。
好景気で浮かれる上層と下層の間で、美しい文体で時代ともに生き抜いたあらゆる階級の女性達の頂上から底までを見た一葉...。
24歳6か月の若さでこの世を去るまで多くの名作を発表した夭折した天才女流作家の"奇跡の14か月"とは...。
★ 演出・栗山民也さんからコメントをいただきました ★
★ 出演者の皆様からコメントをいただきました ★
【東京公演】<公演終了>
紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
2022年8月5日(金)〜 28日(日)
≪今こそ劇場へ行こう≫ スペシャルトークショー
★8月12日(金)1:00公演後
シークエンスはやとも 氏 (芸人)
★8月18日(木)1:00公演後
一龍斎春水(麻上洋子)氏 (講談師・声優)
★8月21日(日)1:00公演後
伊藤氏貴 氏 (明治大学文学部教授)
<全国公演>
【大阪公演】<公演終了>
新歌舞伎座
2022年9月2日(金)〜 11日(日)
【岡山公演】<公演終了>
津山文化センター
2022年9月13日(火)18:30
【東京多摩公演】
パルテノン多摩
2022年9月19日(月・祝)13:30
イヌの仇討
吉良上野介、赤穂浪士、忠臣蔵...正義も悪も、世の中が変われば見方も変わる。
歴史のからくりと人間のドラマが交錯する、
現代(いま)をも鋭く切り取る物語が東憲司の手で再々演。
討ち入り当日、密室でお犬様と炭焼き小屋に隠れていた吉良上野介はどんな思いで
首をはねられるまでの二時間を過ごしたのか。
吉良の目線から、その知的な興味を駆使して語られるスリリングな舞台運びは、
忠臣蔵のもう一つの側面を浮かび上がらせる。
大石内蔵助が登場しない「忠臣蔵」が描き出すものは何か。
300年余の時を超え、今なお真実を問い続ける井上ひさし版「忠臣蔵」異聞。
時は元禄十五年(一七〇二)
十二月十五日の七ツ時分(午前四時頃)。
有明の月も凍る寒空を、裂帛の気合、不気味な悲鳴、そして刃に刃のぶつかる鋭い金属音が駆け抜ける。
大石内蔵助以下赤穂の家来衆が、ついに吉良邸内に討ち入った。狙う仇はただ一人。
「吉良上野介義央」
上野介は、家来、側室、御女中たちと御勝手台所の物置の中に逃げ込んでいた。
赤穂の家来が邸内を二時間にわたって、三度も家探ししていた間、身を潜めていたというあの物置部屋で、
彼らの心に何が起こったのか。
──討ち入りから三百二十年、歴史の死角の中で眠っていた物語は三度動き出す。
思えば、あの白髪の品のいい老人が気の毒でならぬ。
ある日、些細なことを根にもたれ、いきなり切りつけられたばかりか、
あげ句の果てには殺されて、壮大な貴種流離譚のために、
三百年間、悪く言われっ放しのあの老人を、
私はときどき手を合わせて拝みたくなる。
────井上ひさし
これは愛と犠牲の物語である。忠臣蔵の仇役・吉良上野介とその家臣たちに光を当てた異色作である。
井上ひさし版忠臣蔵には浅野内匠頭も大石内蔵助も出てこない。
主人公の白髪の老人は家臣を思い、忠義を重んじた。家臣たちも主人公を守ろうと必死に戦う。
討ち入られ逃げ込んだ物置の中で、登場人物たちはもがき苦しむ。
作者は権力に忠実なイヌとして生きてきた老人を慈しみながらも、滑稽に笑い飛ばし、厳しく残酷に打ちのめす。
生と死と、喜劇と悲劇が絶妙に混じり合い、観客の心を掴んでゆく。
初演、再演、そして再々演、更なる高みを目指すのだ。
戯曲に散りばめられた愛溢れる台詞の数々を光り輝かせ、あの事件を体現するのだ。
三百年前の事件を通して、きっと現代の日本が見えて来るはずである。
────東憲司
★大谷亮介さん、彩吹真央さん、三田和代さんから上演に向けてのコメントを頂きました。 ★
イベント開催時のチェックリスト
紙屋町さくらホテル
一人では出来ないこと、一人の人間の力を超えた何か大きな豊かなものとは...。
これは「人間の宝石」が織り成す物語。
昭和20年5月、広島の紙屋町さくらホテル。
新劇の名優・丸山定夫、そして宝塚少女歌劇団出身の女優・園井恵子を核とする
移動演劇隊のさくら隊。
ホテルの所有者である日系二世の神宮淳子と心やさしきそれぞれの事情を抱えた同居人たち。
淳子の従妹の正子、言語学者の大島先生、ピアノの得意な玲子。
日系人である淳子をスパイ容疑で監視する特高刑事・戸倉までが同居をはじめ
天皇陛下の密使海軍大将長谷川と陸軍中佐針生が身分を隠してホテルにやってくる。
果たしてその目的は...
この風変りなさくら隊が繰り広げる感動の物語。
いい舞台はひととき我を忘れさせ、そのことで人を素直にさせる、
生まれ変わりの儀式なのかもしれません。
―――井上ひさし
★演出:鵜山仁さん・出演者の方からコメントをいただきました★
【『紙屋町さくらホテル』東京公演 中止のお知らせ 】
現在上演中の「紙屋町さくらホテル」につきまして、日々感染対策を徹底し上演を行って参りましたが、本日早朝、公演関係者の新型コロナウイルス陽性が確認されました。
つきましては、本日7/17(日)13時、7/18(月・祝)13時の東京公演を中止とさせていただきます。
当日直前のご案内となりましたことを深くお詫び申し上げます。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
本日・明日の公演チケットをご購入済みのお客様へは払い戻しの対応をさせていただきます。
詳細につきましては改めて決定次第ご案内させていただきますので、お手元のチケットは無くさずに大切に保管くださいますよう重ねてお願い申し上げます。
ご来場を心待ちにしておられたお客様には大変なご迷惑をお掛けすることとなり、誠に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。
なお、個人のプライバシーにかかわるお問い合わせに関してはお答え致しかねますので、
ご理解ご了承頂きますようお願い致します。
2022年7月17日 こまつ座
【東京公演】
紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
2022年7月3日(日)〜 18日(月・祝)
≪今こそ劇場へ行こう≫スペシャルトークショー
★7月 8日(金)1:00公演後
七瀬なつみ・白幡大介・神崎亜子
★7月11日(月)1:00公演後
鵜山仁(演出家)
★7月13日(水)1:00公演後
松岡依都美・松角洋平・たかお鷹
★7月17日(日)1:00公演後
高橋和也・千葉哲也・内田慈
<全国公演>
【山形公演】◆公演中止◆
川西町フレンドリープラザ
2022年7月24日(日)1:00開演
【群馬公演】◎完売御礼◎
高崎芸術劇場
2022年7月30日(土)1:00開演
貧乏物語
素敵な女優陣でお届けする、本当の豊かさのお話。
河上肇の登場しない井上ひさしの「貧乏物語」
社会問題としての資本主義...
「貧乏ってなに?」と問う人すべてに捧げる
可憐な女性六人の事情と人生。
時は大正5年...第一次世界大戦の好景気の最中、
誰もが少し浮かれて、本当の"貧乏"を見ようとしなかった時代に、
ベストセラーになった河上肇の『貧乏物語』。
その河上肇の周りには、こんなにも素敵な女性たちがいた。
私たちはおんなじ問題の前にいる。
こまつ座24年振りの再演。
素敵な女優陣でお届けする、本当の豊かさのお話。
"思うにわれわれ人間にとってたいせつなものはおよそ三ある。
その一は肉体であり、その二は知能であり、その三は霊魂である。
しかして人間の理想的生活といえば、ひっきょうこれら三のものをば
健全に維持し発育させて行くことにほかならぬ。"河上肇「貧乏物語」より
これは自分のすべてを賭けても貫き守ろうとする主義主張
「生きて行く態度」六人それぞれに持った女性達の話。
―― 井上ひさし
★ 演出・栗山民也さんからコメントをいただきました ★
★ 出演者の皆様からコメントをいただきました ★
・劇場での感染症対策への取り組みとお客様へのお願い
・イベント開催時のチェックリスト
2022年4月5日(火)〜 24日(日)
紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA