こまつ座:(井上ひさし・ 「the 座」創刊号より・ 84 年 4 月) 「the座」創刊号(84年4月)より
 

英語の定冠詞の“ the
(ザ)”に一座の“座”」

座という字の成り立ちは、屋根があって、人が二人以上いて、その下に土がある。こまつ座の劇場を持つという夢の実現にあたって、まずは紙の劇場として「 the 座」がスタートした。
 


 
 

      
 
 

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第61号:人間合格
 

前口上 井上ひさし
この戯曲を書いたのはたしか二十年も前のことでした。時間の腐食に耐えうる作品をというのが、あらゆる書き手の願いでもありますが、はたしてその願いどおりに「現在のお客様」が、この戯曲を受け入れてくださるかどうか。どきどきしながら開幕を待っております。
ほんとうにこの二十年間にいろんなことがありました。戯曲の主人公たちが信じていた社会主義という思想そのものもずいぶん遠くへ退いてしまっていますし、それと反比例するように競争原理主義が伸し上がってきました。友達とたがいに支えあって生きて行くという態度はもう骨董屋さんの倉庫にガラクタといっしょに放りこまれてしまっています。世の中が妙につるつるに薄べったくなって(驚くほど監視体制が強化されたこともあって)劇中の佐藤浩蔵のように官憲の目をかすめて地下に潜ることなどほとんど不可能になりました。


特集 太宰治と非合法活動
生誕百年を前に多くの人びとに読みつがれる太宰治作品群。しかし太宰治こと本名津島修治には今なお多くの謎がつきまとう。その生と死の両極の間にいったい何があったのか?

インタビュー
・鵜山 仁(演出)
 疑問と結論の間に「小さな宝石」が
・岡本健一(津島修治)
 何もせず立っているだけで太宰に見えたら最高
・山西 惇(佐藤浩蔵)
 ひとつひとつの言葉に血を通わせたい
・甲本雅裕(山田定一)
 稽古始めから千秋楽までとことん考えていたいんです
・馬渕英俚可(チェリー旗ほか七役)
 芝居無しでは生きていけない身体です
・田根楽子(青木ふみほか七役)
 客席の笑い声が合格・不合格のバロメータ?
・辻 萬長(中北芳吉)
 台本は豊饒な畑の土、掘って掘って掘り下げる

お問合わせはこまつ座出版部まで
03-3851-6180
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