こまつ座:(井上ひさし・ 「the 座」創刊号より・ 84 年 4 月) 「the座」創刊号(84年4月)より
 

英語の定冠詞の“ the
(ザ)”に一座の“座”」

座という字の成り立ちは、屋根があって、人が二人以上いて、その下に土がある。こまつ座の劇場を持つという夢の実現にあたって、まずは紙の劇場として「 the 座」がスタートした。
 


 
 

      
 
 

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第51号:兄おとうと
 

前口上 井上ひさし

日本国憲法は占領軍から、正しくはアメリカから押しつけられたものである――という説があります。でも、わたしはこの説を信じない、とても卑怯な俗説だから。あの大戦争のあとの三十代から上の世代の日本人の記憶にまだ鮮明だったのは、東京帝大教授吉野作造の説く『政治は国民を基にする』という民本主義だったにちがいない。そして吉野のこの思想を発火点として、大正デモクラシーと呼ばれる新風が和やかに、しかし粘り強く吹きつづいていた時間もあったっけと思い出した。ですから、占領軍の役割は『日本人よ、ちょっと前の時代を思い出してごらん』と声をかけてくれただけ。いまの憲法は、そのころの日本人が過去の記憶をよびさまして掴み取ったもの。いまの憲法に当時の民間憲法草案からたくさんの事柄が流れ込んでいる事実も、わたしのこの説明を支えてくれるはずです。

特集:吉野作造の生涯 構成・渡辺昭夫

日本の民主主義の種を蒔き、ほとばしる情熱で論陣をはり、語り続けた吉野作造。大正デモクラシーを主唱した思想家で政治学者でありクリスチャン。その精神を未来に語り継ぐ吉野作造記念館の資料をもとにここに生涯を特集する。

インタビュー

鵜山 仁(演出)
「新たな仕掛け 新たな世界」

宇野誠一郎(音楽)×朴 勝哲(演奏)
「シューベルトで『ふとんの唄』!」

辻 萬長(吉野作造)
「戯曲の中の吉野作造 歌って踊っての洗礼」

剣 幸(吉野玉乃)
「なぜ、なぜ、とずっともがいています」

大鷹明良(吉野信次)
「『ひょうたん島』をみて 『十一匹のネコ』を演じて・・・」

宮地雅子(大川勝江ほか)
「まったく違う4つの人物を思い切りよく演れたらいいな」

小嶋尚樹(青木存義ほか)
「流さず、諦めず、『なぜ』と考える大切さ」

神野三鈴(吉野君代)
「二度目の新作!思いっきり演じたい」

お問合わせはこまつ座出版部まで
03-3851-6180
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