「the座」創刊号(84年4月)より
英語の定冠詞の“ the
(ザ)”に一座の“座”」
座という字の成り立ちは、屋根があって、人が二人以上いて、その下に土がある。こまつ座の劇場を持つという夢の実現にあたって、まずは紙の劇場として「 the 座」がスタートした。
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第28号:父と暮せば
前口上にかえて 井上ひさし 美津江:・・・・・・ヒロシマの一寸法師? 竹造:(また頷いて)エプロンのポケットをかしこう使うて話をしっかり盛り上げるわけじゃ。さて、赤鬼のお腹の中へ飛び込むまではおんなじじゃが、その先は大けにちがうぞ。(おはなしに戻る)赤鬼のお腹の中に飛び込んだヒロシマの一寸法師は、(エプロンの右下のポケットから原爆瓦を出して高く掲げ)この原爆瓦を鬼めの下っ腹に押し付けて、/『やい、鬼。おんどれの耳くそだらけの耳の穴かっぽじってよう聞かんかい。わしが持っとるんはヒロシマの原爆瓦じゃ。あの日、あの朝、ヒロシマの上空580メートルのところで原子爆弾ちゅうもんが爆発しよったのは知っちょろうが、爆発から一秒あとの火の玉の温度は摂氏1万2000度じゃ。やい、1万2000度ちゅうのがどけえ温度か分かっとんのか。あの太陽の中心温度が6000度じゃけえ、あのとき、ヒロシマの上空580メートルのところに、太陽が、ペカーッ、ペカーッ、二つ浮いとったわけじゃ。頭のすぐ上に太陽が二つ、一秒から二秒のあいだ並んで出よったけえ、地面の上のものは人間も鳥も虫も魚も建物も石灯篭も、一瞬のうちに溶けてもうた。根こそぎ火泡を吹いて溶けてもうた。屋根の瓦も溶けてもうた。しかもそこへ爆風が来よった。秒速350メートル。音より速い爆風。溶けとった瓦はその爆風に吹きつけられていっせいに毛羽立って、そのあと冷えたけえ、こげ霜柱のように棘がギザギザギザと立ちよった。』(井上ひさし作『父と暮せば』より) 特集 ヒロシマ組曲ー50年後に残ったアルバムー ●広島は城下町 ●軍部と学都の二つの顔 ●陸軍部隊の集結地 ●欲しがりません、勝つまでは ●不思議な静けさ ●原子爆弾が投下された 座談会●演劇って何だろう15 芸能とは何か 「これまでの芸能、これからの芸能、学び、盗む、それぞれの感動がある」 ゲスト 永六輔さん |
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俳優インタビュー すまけい(福吉竹造) 「台本の中の言葉のイメージをどうやって舞台で表現するか」 |
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お問合わせはこまつ座出版部まで 03-3851-6180 |
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