こまつ座:(井上ひさし・ 「the 座」創刊号より・ 84 年 4 月) 「the座」創刊号(84年4月)より
 

英語の定冠詞の“ the
(ザ)”に一座の“座”」

座という字の成り立ちは、屋根があって、人が二人以上いて、その下に土がある。こまつ座の劇場を持つという夢の実現にあたって、まずは紙の劇場として「 the 座」がスタートした。
 


 
 

      
 
 

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第25号:シャンハイムーン
 

前口上 井上ひさし

本日は、はるばる劇場までお運びくださいましてまことにありがとうございます。この芝居に貴重な時間とお金を割いてくださったお客様にせめてなにかお返しをしたいものだと考えて表紙に「魯迅ノート」と書き付けた古帳面を4、5冊、本棚の奥から引っ張り出してきました。魯迅先生にまつわる取って置きの話や耳寄りな話をお土産がわりに持ってお帰りいただきたいと思い立ったわけであります。

特集 魯迅と上海

ゆるやかだった「時代の流れ」が急に早くなった昭和初期―。やさしかった日本人の心もささくれだち、人を疑い、憎しみあう。やがて、その流れは瀬を削り、岩を噛み、奔流となって暴れ出した。「真実」は流され、「友情」は藻屑となった。これは、その絶対忘れてはいけない「時代の川」のなかで、必死で泳ぎ抜こうとしていた上海の日本人と中国人の記録である。

『シャンハイムーン』への手紙

中国で、『シャンハイムーン』がどう読まれたのか―。作者の井上ひさし宛に、この戯曲を読んだ中国の大学の日本語科の先生と生徒からの手紙が届きました。すべて日本語で書かれた原文をそのままここに紹介します。

服部良一物語 第五回 井上ひさし

「アメリカ音楽とはなにか」

俳優インタビュー

高橋長英(魯迅) 
不純な話
「この場所を、そしてこの時代を背負って生きつづけましょう」

安南 潤(許広平) 
透きとおった話 
「月です。月が好き。月夜の晩は、仕事部屋の灯りを消して、窓から流れ込む青い月の光を浴びながら、いつまでもじっと坐っています」

小野武彦(内山完造) 
半分、本音の話  
「わたしは完造、先生は魯迅・・・」

弓 恵子(内山みき) 
淀みない話
「その災難を福に転じてさしあげたい。この機会に、魯迅先生の、あのボロ雑巾同然のおからだをすっかり治してさしあげたい」

辻 萬長(須藤五百三)  
死にそうもない男の話
「人間の脳の表面積は新聞紙にたとえて1ページ分ぐらいなものだ。しかしその新聞紙大のものが健康に働けば、この大宇宙を包んでしまう。この一事をもってしても健康の大切さがわかろうというものだ。先生、無駄な抵抗はおよしなさい。鎌倉で健康を取り戻してください」

藤木孝(奥田愛三) 
気の長い話
「歯が治る、ものがよく噛めるようになる、胃もよくなる、からだのすみずみへ力が行き渡る、人生観が明るくなる。わかりますか、歯を治療することで魯迅文学が変わるのです」

お問合わせはこまつ座出版部まで
03-3851-6180
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