こまつ座:(井上ひさし・ 「the 座」創刊号より・ 84 年 4 月) 「the座」創刊号(84年4月)より
 

英語の定冠詞の“ the
(ザ)”に一座の“座”」

座という字の成り立ちは、屋根があって、人が二人以上いて、その下に土がある。こまつ座の劇場を持つという夢の実現にあたって、まずは紙の劇場として「 the 座」がスタートした。
 


 
 

      
 
 

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第11号:雪やこんこん
 

前口上 井上ひさし

紀伊國屋書店のお力添えで実現した「昭和庶民伝三部作一挙上演」、蓋をあけてみると、意外にもというのか、案の定というのか、第二部『闇に咲く花』、第三部のこの『雪やこんこん』、それぞれ初日が延び、お客様はじめ関係者の方にたいそうご迷惑をおかけしてしまいました。心からお詫び申しあげます。(略)がしかし、「どんなことがあってもお客様を失望させてお帰ししてはならない」、「俳優各位がお客様から気持のいい拍手をいただけるような戯曲を書かねばならない」、「演出家はじめ全スタッフに苦労の仕甲斐のある良い戯曲を提出しなければならない」の、三つの「ねばならない主義」に、この三本の戯曲がどうやら合格点をとったことで、はなはだ不遜ですが、筆者はホッとしています。お客様の景物がわりに書きつけておきますと、『きらめく星座』には筆者幼時の家の事情が投影され、いわば私小説的戯曲、また『雪やこんこん』は浅草フランス座につとめたときから続けている大衆演劇名台詞の収集にものをいわせようと企んだ作品。どちらも「好きな課目」ですから満点採れなくては嘘、満点採れなきゃ物書きなんかやめちまえというしかない題材でした。

特集 幟 大衆演劇のための事典

ありがとうございます。ありがとうございます。皆さまのおかげをもちまして、ご当地初お目見えの一座、こうして幕をあげることができました。心のそこから、厚き御礼を申しあげます。さて、本日の切狂言。瞼の上下合わせりゃ闇に、湧いて出てくる母の顔。ご存知、名作「瞼の母」。番場の忠太郎を不肖、この私、一世一代の演技で以て、皆さまの熱き紅涙をしぼらせていただきたく存じます。続きまして、一座全員によります花のグランドショー。私ども「熱と力」で一生懸命、相つとめますゆえ、明日もまた当劇場へお越下さいますよう、座員一同になりかわりまして、ここに、御願い、チョン、たてまつります。

●座長 ●一座 ●楽屋 ●口立て ●殺陣 ●花 ●切狂言 ●劇場 ●ドロン ●乗り込み

時代人情劇 豆を食う男 美里英二脚色

the座鼎談 美里英二/橋本正樹/井上都

都さん!「熱と力」は大衆演劇のキャッチフレーズじゃござんせんか。

人びと劇場

市原悦子(中村梅子) 
「中村梅子一座の座長役。このナウい芝居を楽しく元気に」

草薙幸二郎(久米沢勝次) 
「股旅おどりの頭取役。仕掛けられて芝居の世界に」

池畑慎之介・ピーター(秋月信夫) 
「憎めない、愛すべき登場人物。無色、柔軟性のある役づくりを」

小野武彦(明石金吾) 
「刑事役のつもりが女形に。噂には聞いていましたが!」

麦 草平(立花庫之介)  
「ここにも、ここにも芝居の好きな人がいる。いい意味での闘いの場に・・・」

立原千穂(三条ひろみ) 
「バス停前で歌った『花笠道中』。初出演の井上戯曲に期待」

宮川雅彦(光夫くん) 
「柝の音に雁の声・・・。長旅から帰ると春」

古閑三惠(女中お千代) 
「女中のお千代は小政役。明るく、若々しく、そして図太く」

浅利香津代(佐藤和子) 
「うらやましがり屋の学芸会スター。小屋掛け芝居のエネルギーに魅せられて」

お問合わせはこまつ座出版部まで
03-3851-6180
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